心の灯火

a message for you 〜聖書への手引きとしてお役に立てれば幸いです〜

真理と平和について

仏教では、真理とは、悟りを開いて得られるもののことをいう。

キリスト教では、キリストを信じることで、真理を得る、ということになっている。

 

私は、20代の頃、こうしたことを熱心に考えていた。そして、確信したことは、仏教は、探究の宗教であり、キリスト教は、その答えである、ということだった。今は、その考えに強い確信は持っていないが、私の気持ちが後退したか、むしろ、前進したか。しかしまた、それらは全く別のものかもしれない、どちらが真か。

 

本質的なところでは、仏教を信じている方が、世の中平和になるような気がする。そこには、対立はなく、キリスト教のように、いきなり「私を信じよ」と言われたって、わからないものは認め難い。その点、仏教は、輪廻転生、因果応報が基本原理なので、「自分の人生がこんなに不幸なのは、前世の功徳が足りなかったからだ」と現世のみならず、前世にまで遡って、自らを省みるという心理が働く。それは、非常に考えやすく、心にとって受け入れやすいものであるのでしょう。

 

しかし、それは果たして、真理かはまた別の問題です。また、キリスト教イスラム教にみられるように、真理は時に対立する。戦争あり、迫害あり、、、。そうこうしている間に、2000年ほど経ち、今、世の中はどうなっているか。当時の人たちは、さぞかしもどかしかっただろう。「終わりはいつか」、「神の国は、いつ見られるのだろう」と。

ここで、生まれ変わりについて、聖書に書かれている箇所を示しましょうか。

 

それは、ヨハネ第3章のイエスとニコデモの箇所に記されています。

「はっきり言っておく。人は、新たに生まれなければ、神の国を見ることはできない。」

ニコデモは言った。「年を取った者が、どうして生まれることができましょう。もう一度母親の胎内に入って生まれることができるでしょうか。」

エスはお答えになった。「はっきり言っておく。誰でも水と霊とによって生まれなければ、神の国には入ることはできない。肉から生まれたものは肉である。霊から生まれたものは霊である。『あなた方は新たに生まれねばならない』とあなたに言ったことに、驚いてはならない。風は思いのままに吹く。あなたはその音を聞いても、それがどこから来て、どこへ行くかを知らない。霊から生まれたものもその通りである。」

「生まれ変わりとは、風のようだ」、との記憶を頼りに、その箇所を探しましたが、見つからず、ネットで検索した次第でありましたが、相違は、なかったでしょうか。

 

ここで一つ、理解をしてもらいたいことがあります。それは、教えについてではなく、聖書の訳し方です。これについては、不満な人も多くおられるようで、私も当初は、戸惑いました。それで、日英対訳の聖書を読むようにしたのですが、今の引用で出てくる、「はっきり言っておく」について、これは聖書の新共同訳による訳なのですが、これが英訳だと、「Telling you the truth」となっています。日本語訳も英語訳もそれぞれギリシア語から別々に訳されたものです。ギリシア語がどうかは未確認ですが、この「はっきり言っておく」、というのと「Telling you the truth」と言うのでは、印象が全然違います。私は、英語の勉強のために、英語で書かれた、とある本を読んだことがありました。その本は、アメリカが、どのように真理を求め歩み進めてきたかについて書かれた本でした(半分のところで断念し、既にかなり時間がたっており、おぼろげなのですが、アメリカの神髄が力説された本ではないかとの印象です。)そのタイトルは、『Telling the truth about History』です。大抵、本のタイトルというのは、とっつきやすい言葉をタイトルにするものです。つまり、「Telling  the truth 」というのは、慣用句的な使われ方をしているもので、恐らくは聖書からきたフレーズなのでしょう。日本語訳での「はっきり言っておく」とは、ニュアンスが違います。直訳すれば、「真実を話そう」といったところでしょうか。

 

ちょっと長くなりました。ではまた次回に。